宮ノ町の記憶

改修リフォームは、新築と違い制約があり、

骨格も決まっている事が多い。そのため自由度は低いと思う。

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ただ、その縛りが余計な事を考えず、素直に現実と向き合い、自ずと答えを導いてくれるような気がする。

 

ただし、その答えが導き出されるまでは苦しい。

何か一つ導き出されると、あとは嘘のようにスムーズに流れだす。

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この計画では、坪庭を囲う回廊がそうだったように思う。

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約150年前に建てられたこの住宅は、代々引き継がれ、祖父から孫（建築主）へと譲渡された。

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内部の天井材や梁、土壁は当時のままで、その静かな力強さに魅力を感じた。

どのようにそれらを主役として残し、現在の住まい方や素材との組み合わせを作り出していくのか、常に考えていたと思う。

 

現場でその空気感と向き合い、模型を片手に見比べながら常に客観的でいようと努めた。

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そのため、計画に無い変更をその都度した。

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この建築は、建築主の強い願いと、一日中現場で管理をしてくれた現場監督、尽力してくれた職人たち、客観的に指摘をしてくれる仲間の支えで完成したと思っている。