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愛媛県今治市

アスフォデロの庭

2015年 新築

今治へは車で片道3時間で行けるようになった。

当時は、やまなみ街道も全通してなくて、今の道とは、走る景色も違うし、どこを走っていたのか、もはや定かでない。

もうあの風景は無いのだろうと夢想する。

敷地は、今治市中心部から南へ向かった集落にある畑の跡地で、周りは平屋建ての農家が点在し、田畑に囲まれた場所だった。

今治は用水路が多い。その用水路に墜落した車を1度目撃した。車の運転には向かない。ただし、水は豊かな地域だ。

今治は松江と比べて、風の吹いてくる方向が違う。気温もかなり上がるので、配置計画も含め、どちらへ向けば良いか悩んだ。

 

その手掛かりとして、周囲に建つ家々を眺める事にした。

特徴は3つあった。

1つは、平屋建てであること。

2つ目は、庭が広く取られている事。

3つ目は、主室が東を向いて開かれている事。

1つ目は予算の関係で断念し、庭を広く作る事、東に向けて大きく開く事を取り入れた。その東側には、広い下屋根を設けて、日陰を作り、気温差による風を生むことに成功している。デッキから子どもたちが裸足で駆け出せるように、工夫もした。

竣工から数年が経ち、FRPの塀も良い色味になった。

同じ様な向かいの敷地は、3棟の住宅がパズルのように建った。

庭はないし、東を向いていない。

この辺りも風景が変わりつつある。

チャイアーキ一級建築士事務所
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