裕之 安井
2014 建築家として
更新日:2021年10月28日

昨年、広島で活躍される段原建設の段原さんからお誘いを受け
大学院時代の先生でもある、建築家・村上徹の最新住宅を見せて貰った。
先生はいくつになったのだろう。
調べると、70歳。
建築界の新人賞である吉岡賞を取り、住宅で日本建築学会賞を取った建築家である。
しかも、当時は珍しかった地方・広島で活動している点が大きい。
地方で活躍するパイオニアであり、広島工業大学の卒業生でもある。
70歳にしても 周りから無視できない存在なのだろう。
当日、広島県内から沢山の建築家が集まって、見学していった。
それらを嬉しそうに迎える村上先生。
写真は、下記の段原建設のHPから見て欲しい。
恐れ多くて、そして村上先生が未だに恐くて、写真が撮れなかったので。
https://danbara.jp/works/works-78/
これが70歳を迎えた建築家の住宅作品か!?
軒が極端に薄い。
樋が見当たらない。
いや、地上から見えないだけで、実際にはある。
室内は、限られた床面積の中で
大きなスペースを階段がとる。
これも大胆だと思う。
2階は家形の空間が作られ、スケール共に良い。
壁際の高さ、天井勾配の角度、全てが完璧に近いと思った。
驚くべきことは、この住宅の工事費である。
僕の記憶では、1500万円台だったはず。
もちろん、その工事金額で施工し、
尚且つ、これだけの施工レベルで作る段原建設の力は
関係者には、きっと分かって貰えるだろう。
最近、建築家の仕事、とりわけその出来について
考えている。
他人を見て、自分の仕事を疑ったりもした。
ただ、それにどんな意味があろうか。
牛乳を温めたときにでるあの膜が
薄く沈殿していくだけで、ただ気持ち悪くなっただけ。
改めて、段原建設のHPを見る。
去年の記憶が蘇る。
いまだ、攻め続ける先生の姿に
僕には無理だと思いながら、憧れている。