• 安井 裕之

2024 出雲の建築家


出雲市を拠点に活躍する建築家・原浩二さんからお誘いを受け、

新築住宅を見学した。


原さんは、今年から僕の母校である広島工業大学で

非常勤講師として教えておられる。


敷地は造成された6区画の中の一つの住宅で、

周り全てはハウスメーカーの新築住宅が建つ。


区画の奥に目を向けると、黒い佇まいの住宅が建っていた。


外壁は焼杉で、前面道路からの印象は、窓がほとんどなく

閉ざされた住宅のように感じた。

(入ってから気づいたけど、前面道路側には、窓がいくつもあった。)


玄関からダイニングへ入る。

その瞬間、不思議な三角平面の土間のような場所と

その先の田園に目が奪われた。


その三角平面の土間空間から先には、平屋の部屋があるようだ。

角度によっては、奥が見えない。


驚かされたのは、やはりこの土間空間で、

この住宅の肝だと思う。


最近よく考えるのは、僕ら建築家の仕事は一見すると

『無駄』だと思われる所を作ること何じゃないかということ。

誤解されると困るのだけど、

その『無駄』が、生活の豊かさへ繋がるんじゃないか、と考えている。


この三角平面の土間は、『無駄』なんだと思う。


しかも床面が、他より1段下がっている。

仕上げは、モルタルに墨が混ぜてあるのか、黒い。


この1段下げる必要あるか?

と聞く人もいるだろう。


ひょっとしたら、僕ならフラットな床面にして

縁側として計画していたかもしれない。


それが僕と違う原さんの設計で、

床面が1段下げると、景色が変わる。

気持ちも変わる。

地面に近づいたみたいだ。


土間の奥は居間で、さらに奥へ行くと寝室がある。


この三角平面の土間は、ダイニングからも見え、

居間からも見え、さらに寝室からも見える。


つまり、3つの角度からこの土間を介して、

外の田園を見ることができる。


これがとっても新鮮で、全部違う景色に見えるし、

その為には、この三角平面が効いていて、

非常に上手いと思う。


例えば、真四角な平面土間だと、けっしてこうには見えない。


写真はないので、

皆さん、文章だけで、ご想像下さい。


2時間は居ただろうか、

お互い、寝室の床でくつろぎ、(原さんは途中、床に寝転んだ。)

リラックスしながら

たくさんのお話をした。


広島工業大学の非常勤講師のお話も伺った。


島根県から初めて非常勤講師になられた原さんを尊敬する。

そして、母校で教えて下さって、本当に嬉しい。




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