
住宅の改修現場が始まって、約2か月。
今までで一番、穏やかな現場ライフを送っている。
現場が始まると自分でも認識するくらい、頭のスイッチが切り替わっていた。
やり直しが嫌いで、職人にやり直しをして貰うのが申し訳なく、
そうならないように気を張る。見る。
何か致命的なミスはないか?何か見落としてはいないか?
あれこれ考え、神経を尖らせていた。
大げさに書けば、命がけ。
その姿勢が現場から見えないだけでもイライラしていたと思う。
それが、この現場ではない。
多少はあるかもしれないけど、今までと全然ちがう。
分析してみると、2点の理由が浮かんだ。
①工期に余裕があること。
大工工事に余裕時間がある。一人でやっているのも関係するが、
その期間に余裕があるため、他の工事も余裕があるように見える。
②改修工事は、壁や天井、床を剥いでみないと分からない。
白蟻被害や雨水の侵入による腐敗。
一度丸裸にしてみないと俯瞰で見えてこない部分だ。
柱の交換、土台の交換、梁の補強は、建築家としては見過ごせず
どうにかして今よりは強くしたい。
したいんだけど、それには全てお金が絡んできて、
予算内以外の出費が必要になる。
そこに頭を悩ませ、精神的に辛い気持ちになっていた。
今回は、予算に想定される金額を予め想定し、
建築家の判断で使わせて頂く手筈をとった。
(クライアントへの確認、報告は怠らない条件付きで)
気持ちの上で、これが一番大きかったと思う。
以上の点は、
今回初めて施工を担当してくれた
竹下美建の竹下社長のアイディアで、
ここには書き足らない聞いたこともないような試みを
実行してくれた。
現場に行く回数も減った。
このままゆっくりと出来上がる建築を
堪能したいと思う。
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