建築家は、図面を描くことが主な仕事だ。
設計図と呼ばれるもので、その図面を基に建築が作られる。
設計図は、ある意味でコミュニケーションツールになって
他者と共有する事を助ける。
作り手から見ると、間違った図面にも見える時があるだろう。
僕には見えない間違いは、第3者には簡単に見ける事ができるし、
そこから解決策へ導く話に発展する。
図面には寸法といって、具体的な数字が記されている。
寸法のない図面は、相手にも僕にも伝わりにくい。
建築家自身が彫刻家のように作らない限り、
具体的な数字を積み重ねて作るのが、建築である。
その具体的な数字の中にも、施工者の受け止めれない数字が
存在する。
どういう事かと言えば、例えば、428mmとか
549mmといった数字は、430mm、550mmに変換した方が
施工者としては作りやすい。
僕にとっては意味のある1桁の数字も
受ける側にとっては、根拠のない数字に見えてしまう。
僕が数字を決める方法は、1:1、1:√2、1:√3 などの比率や
3で割れる数(尺寸法は、基本3の倍数)を使う。
そうなると、キレイな0が並ぶ数にはならない。
それ以外にも、材料の大きさで寸法を決めたり、
あえて上記で計算した数字を外したり、
その時の言葉にならない感覚で決める。
(その場合、たいてい2~3日寝かす)
理由があり、根拠ばかりの建築よりも
どこか心の琴線に触れる、最も感覚的な理由、、、
言葉にしちゃうと
デザイン・意匠としか言えない部分を作りたい。
(デザイン・意匠という言葉は使いたくない)
じゃないと、僕に依頼する意味がないし、面白くない、でしょ?
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