日本民藝協会の全国大会が出雲であり
批評家・思想家の若松英輔さんの講演会へ行ってきました。
若松英輔さんを知ったのは、「現代の超克」という本で
その後 何度も読みかえす大事な本となります。
ものづくりを生業をする人は必ず読んで欲しい本で
民藝という言葉を作った柳宗悦の話から始まります。
講演会では、一般的に流布する民芸という言葉と
柳宗悦が唱えた民藝は違う、という言葉から始まりました。
そこから一気に引き込まれる講演会でしたが、
一番驚いたのは、見えない故人(たぶん柳宗悦)に
坦々と語りかける姿でした。
聴衆は見えていないようにも感じました。
その静かな姿勢と 問いかけた後の「間(ま)」。
よくある「えー」や「あー」という言葉を発する人が多いと思いますが、
若松さんは、沈黙します。
言葉を発して(問いかけて)沈黙という間を取る。
その沈黙に、人は次の言葉を待つ。
沈黙の講演会だと思いました。
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