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  • 執筆者の写真裕之 安井

2063 平面図



学生時代から 妹島和代、西沢立衛、そして村上徹の影響を勝手に受けて

平面図を旨とする、というか

建築家の仕事はそこだろうと思ってきた。


2年前に手掛けたある陶芸家の家は、予算の関係上

既存平面図を大きく変更する事が出来ず、ダイニングキッチンとリビングを隔てる壁を壊し

一室とする最低限の変更で図面を終えた。


正直に言えば、建築家的役割を果たせず(平面図。。。)

自分の建築になるのだろうか?

たぶん出来ないないだろうと思っていた。


工事監理では一切手を抜かなかったし、初めてご一緒する工務店さんで

明らかに建築家へ対する警戒感が強く、あの手この手でご挨拶した。


現場へは、工事開始から一か月半まで、毎日通った。

通った時間も9:50、14:50を狙い、

工事現場の休憩時間を共にする。


全然、こちらを見て話をしてくれなかった職人たちが

一ヶ月半を過ぎると、こちらを見て話してくれるようになり

そこから心が通い始めた手応えを今でも覚えている。


完成に近づき、「なんか良いぞ」という感触を感じ始めた。


全面にわたり土佐和紙を張った効果なのか、

窓や壁の関係やプロポーションを意識してたのが良かったのか、

未だに思い出しては考えるけど、分からない。

でも、何かあるはずだと考え続けた。


この住宅をきっかけに

「特別なことをしなくても、特別な空間をつくる」をテーマにするようになった。

それも今年に入ってから自分で言葉にするようになった。


明後日、竣工引渡しする住宅がある。

こちらも予算の関係や面積の問題で

大きく既存平面図を変更出来なかった。


屋根、外壁を30年耐久に予算を取り

水回りを今より広く快適にする。

主な設計内容はそれで、断熱環境も優先順位の上位にした。


特別な事はしていない。

それでも、この住宅が好きだなーと思い始める。

手応えも感じる。


いつも完成したら見て頂く方を招く。

何時間でも居て頂けるような心地よい空気がながれる。

それを感じて下さり、言葉にして下さった。


「何もしていない所に、シンプルな所に、本当の自分がにじみ出てくる」と。


2年前の陶芸家の家はきっと何かあるよ、と言って下さったのも彼女で

そこからの2年間の仕事を時系列で見つめ

僕らしい建築の輪郭が形成されつつあると言って下さいました。


僕は独立後、ずっと平面図に拘っていて

平面図=建築家だと思っていたけど、

今回の仕事を通して違うんじゃないか、と思い始めた。


最後に。

写真では、僕の建築の心地よさが映らない。

動画も撮ってみるが、カメラレンズを挟むと伝わらない。

平面図よりもどうやって第三者へ伝えれば良いか

こちらの方が大きな悩みになった。


上の写真は、壁・天井共に土佐和紙仕上げ。

写真ではよく分からない。

土佐和紙は、光を吸収し、柔らかく反射する。

それも心地よく感じる要因だと思っている。


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