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  • 執筆者の写真裕之 安井

2072 模型のはなし



今でも模型を自分で作っている。

何の為かと聞かれると、

「自分の為」と答える。


自分の頭で想像するのが

建築家の仕事だ。


だから模型なんて作らなくても

建築は作れる。


村上先生が言うには、模型を最初に作った建築家は

丹下健三だそうだ。


最近、

眼鏡を掛けて手元を見るとよく見えない。

眼鏡を外すと良く見えるようになった。


それと関係してか、

模型を作るスピードが遅くなった気がする。


1/100模型はこの日数、

1/50はこの日数とある程度

作業日数が読めたが、基準が変わってしまった。


しかも、疲れる。

疲れると次の日に影響が出て

最悪寝込んでしまうこともあった。


今は昔の作業日数なんて破り捨てて

ゆっくり、ゆっくり作っている。


不思議と精度は上がらず

手が不器用なので、下手な模型のままだ。


CG、パース絵、はたまたメタバースやVRの時代に

模型を作る。

しかも自分で。

なぜなんでしょうね?


CGやパース絵を、信用してないんだと思う。

良いところしか見えないというか

良い風にしか見えてしまわないというか。


模型の良いところは、一度、自分でその住宅をくみ上げることができる点。


大工さんも他の職人も必要なく

模型の時点で検討点が見えること、

そして、自分の頭で想像する事なんて

疑っているからだと思う。


妻や子どもの顔をはっきりと頭でイメージできますか?

僕は恥ずかしながら、はっきりとできません。

さっきまで、会っていたのに。


たぶん、客観的な視点が欲しいんだと思う。



もうひとつ模型が好きな理由がある。


完成した模型は、視覚で情報を得ると思われているけど

実は、その前の模型をつくる過程を含めて

手の触覚で何かを把握しているのではないか。


CGやパース絵には触覚情報はない。

しかも自分の見たい所だけに焦点を当てるので

視覚でも重要な『焦点の合わない周辺』が抜け落ちてる。


難しいことを書いたけど

結局、自分の想像力を信じていないこと

触覚を使いたいこと、

そして、


村上先生からの

「模型は作った方が良いんじゃない?」

という言葉が一番大きいのかもしれない。



(参照:建築と触覚 空間と五感をめぐる哲学 ユハニ・パッラスマー著 百合田香織訳

  :虫とゴリラ 養老孟司・山極寿一著 )

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