2094 変化のきっかけ
- 裕之 安井
- 6月17日
- 読了時間: 3分

2012年
独立する直前の状況は、なにも予定がなかった。
仕事がある前提で
独立する人もいると思うが、
僕にはそれがなかった。
ただ一つ、これは絶対にしたくない!
それだけをもって、独立した。
その一つが、
『自分のしたくない仕事はしない』 だった。
例えば、下請け仕事と呼ばれる図面を描く仕事。
ドラフトマンとも呼ばれ、そこに自分の名は無い。
無記名の仕事。
仕事を選ばず、下請け仕事も含め
どんどんやっていけ、と
アドバイスして下さる方もいた。
今ならそのお気持ちは十分にわかるけど
当時は、その為に独立したわけではない、と言い
こんな例え話さえした。
もし仮に、僕が有名な建築家になったとする。
全国から依頼が殺到し、2年・3年待ちの状態で
時には、仕事を選ぶようになるかもしれない。
それを見た周りの人、
いや有名でないもう一人の僕は、
きっとこう思うだろう。
「忙しいから仕事を選んでいる」
いやそうじゃないんです、僕は
『独立当初から、仕事を選んでいます』
と言える状況を作ろう、そう思って独立した。
それとは別で、
自分の姿勢は、家族によって作られたとも思う。
子どもが小さいときは、生活サイクルを合わせ
同じ時間に寝て、生活を共にする。
夕方、子どもが学校から帰ってきたら
出迎え、話を聞き、家事をする。
お風呂に入り、2人分の歯磨きをする。
仕上げはおとうさん。
ブログには家族が登場し
建築よりも家族、特に子どもの写真を撮る喜びを
いつも感じていた(妻は撮られるのが嫌い)。
子どもは目に見えて成長する。
身体も声も親への態度も全て変わる。
本質は変わらないかもしれないけど
本来持っている資質から逆方向に向かうのが、
思春期なのかなー、とふと思った。
では妻は?45過ぎた自分は?
自覚を自分でするのは難しいけど
見えない形で変化している。
(1年で細胞は全て入れ替わる)
(明らかに別人となる)
18年前に結婚した時よりも、
夫婦のカタチは変わるし、
その変化には、子どもに比べて気づきにくいが
妻も別人か、と思うほど、より他人に感じる。
子どもが変われば、親も変わる。
その当たり前に、ようやく気付けた。
長い前置きになったけど、
長女が大学生になった。
沖縄県名護市。
4年後には、次女も大学生になる年齢。
進学するか分からないけど
これから8年は、娘たちの希望をなるべく叶えてあげたい。
そうそう、
冒頭に掲げた誓いは、
子どもたちの成長によって、変化する。
自分でもびっくりするくらい、変わったと思う。
その為か、
今まで絶対に会わなかった方々と出会い
仕事を共にするようになった。
独立後では、絶対に楽しくないと思っていた仕事が
今は、楽しい。
若いときは、苦労してでも様々な仕事をしろ、と
言われたけど、僕は逆じゃないかと思う。
若いうちは、好きな仕事だけしろ。
そのうち自信もつき、
様々なことにチャレンジできる余裕ができるから。
僕は娘たちのお陰で、変化することができた。
彼女たちが卒業するころには、また変化するだろう。
期待しかない。
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