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  • 執筆者の写真裕之 安井

2035 モチベーションとは

更新日:2021年10月28日


「モチベーションってどう作りますか?」と聞かれた。

その問いから、1週間。

ふと思い浮かんだ事を記す。


僕には年間これくらいの仕事をしよう、とか

昨年より受注件数が右肩上がりに、とか

考えてないし、

年間の仕事件数も少ない。


「たくさん仕事をした方が良い」とアドバイスを頂いたり

「一つ一つ時間を掛け、仕事を選んでいるのも羨ましい」と言われた事も多々ある。


決して選んでいる訳ではないし

僕に声を掛けて下さる方が、単に少ないだけに過ぎない話だが、

独立して一貫して思っていたことは一つだけ。


そのクライアントや家族を好きになるかどうか。


仕事を受ける、受けないの基準は、それだけである。

それは、初めてお会いして感じる場合もあるし、

時間を掛け、芽生えてくる事もある。


僕は単純なので、例えば今、頂いている仕事を例に

書いてみよう。


ある事で信頼を失ってしまったクライアントがいた。

運よく、今は、良好な関係だと思っている。

そのクライアントが、あるご家族を紹介してくれた。

そのご家族も、僕の仕事を見て、頼みたいと言ってくれた。


一度、僕に失望したにも関わらず、紹介してくれたクライアント。

それとは関係なく信頼してくれたご家族。

それだけで、気持ちがのる。


もうひとつ。

遠い宮崎県で工務店を経営するクライアント。

自分でも設計できるし、家族の反対があるにも関わらず、

僕に依頼してくれた。

彼は、地方での工務店の在り方や

先を見据えた上で、外の空気を入れたいと感じたのだろう。

それでも家族の反対を押し切ってやることだろうか?と

僕が身を引こうとしたら、逆に励ましてくれた。

それだけで、気持ちが入る。


もうひとつ。

学校の保護者で、子どもを通して知り合った。

ほとんど話をした事がなかったけれど

誰かに聞いたのか、僕が建築家だと知ったみたいだ。

僕のデザインが好きとか、そういうのは無いらしい。

きっと、僕に頼べば大丈夫だろうと、

普段の姿を見てくれて、声を掛けてくれたのだろう。

初めて近所の人から認知をされた。

それだけで、気持ちが躍る。


モチベーションとは、

結局、始めのスタートで決まってしまう。


その家族を愛せるかどうか。

運よく愛せれば、きっと完成した住宅も愛する。

至らない事もあるし、完璧なものなんて出来ないけど、

愛だけは、誰にも負けない。


完成して6年が経つクライアントから

建具の調子が悪いと連絡を頂く。


直ぐに職人と共に、お宅へ伺う。

安井さんなら、と留守宅に入らせてもらう。

不具合を職人と検証する。

何が原因か分かる。

分かれば次の設計へ反映できるから

一緒に立ち会うと本当に勉強になる。

ついでに他の建具の不具合も見つける。

こんな事、他の建築家は誰もしてないだろうという

自負はある。ただ、他と比べる事ではない。


完成してからも、いつも気に掛かる。

そして今後も、関わりたいと願う。

そう思い続ける建築を今後も作りたい。


その原動力は、

依頼されるって、やっぱり嬉しい に尽きますね。


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