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  • 執筆者の写真裕之 安井

2038 近況


9月は体調不良が続き、危うく入院直前まで体力が落ちてしまった。

寝れない日々が続き、喘息の発作が数年ぶりにでた。


以前より予定していた宮崎出張。

新築住宅の設計が大詰めで、リモート打合せでは詰めれない。

表情を伺いながらの、土地を再度見ながらの打合せが出来た。


敷地内に離れがあり、そこを自分の家のように使わせてもらった。

宮崎は普段、湿気が多いと聞いていたが、

暑さはあるものの、湿度の低い快適な環境で、

宮崎滞在から6日目、松江に帰ってきた僕の体中にまとわりつく湿気に

体調不良の原因の一端を見た気がした。


結果的に、宮崎へ行って体調が戻った。

みるみるうちに元気になったし、家族にも驚かれた。

宮崎人は、とにかく明るい。

食べ物は魚、野菜、お米、全て美味しい。

水が合うとはこのことで、陰から陽の国へ移住したい気持ちも無いわけではない。


その最中、8帖の店舗設計&工事が完成した。

設計から工事まで、約1ヶ月半。

詳細は省くが、大工さんの高精度の仕事、

現場監督の楽しそうな表情と美意識に刺激され、

品のある店舗が出来た。

引き戸も初めて実測せずに工事と同時に製作し

1mmの狂いもなく納まった。

大工さんと現場監督と建具職人の仕事の賜物だ。

あとは使いながら、クライアントが良くしていくだろう。


宮崎でも話題になったが、

島根は職人に恵まれているそうだ。


確かに、宮崎の職人からはどうやって作るのか?

多くの疑問をこちらへ投げ掛けられた。

こちらでは当たり前に出来ている事が、そうではなく、

「そういう仕事をするなら」と福岡から職人を呼ぼうとする。


その感覚に驚いたけれど、竹下美建の竹下くんに言わせれば

「10年以内に島根もそうなりますよ。」と言われた。

その言葉に、リアルさを感じ急に背中が冷たくなる。


職人に対価をきちんと払い、職人を大切にし、

建築家と工事関係者が良い関係を保ち続けるしかないですよ。

竹下くんにそのように言われた。


僕らの一番の恐怖は工事を請けてくれないことだ。

いくら設計図を描いても作ってくれる人がいないと

何もできない。

職人はもちろん、現場監督、工務店が存在しなければ

一体何が作れるだろうか。


宮崎では、県外から来た人間にも優しい。

次の日には、どうやったら作れるのか知恵を絞り

提案してくれた。


それぞれの職人によって技量が違う。

建築家もそうでしょ?

それぞれの技量に合わせて、設計も変えなくてはならない。

お互い歩みよりながら、僕らにしかできない建築を作る。


建築家の一方的な思いは、小さいことなのだから。

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