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2064 居場所をつくる

執筆者の写真: 裕之 安井裕之 安井




住宅は居場所をつくる。

公共建築に対しては、建築的提案をする。


10月の伊東豊雄講演会で印象に残った言葉で、

今でも考え続けている言葉。

衝撃だったし、やっぱりと納得もした。


学生時代に沢山雑誌を見た。

その中から興味を持った建築には、実際見に行った。

現代建築だけでなく、古建築も見に行った。


自分も自ずと雑誌に載るような建築を作りたいと思ったし

そのような建築家にも憧れた。

雑誌に載る事がある意味のステータスで、免罪符となり

建築家と名乗れる、みたいな。


勿論今は疑ってるし、

掲載の為の行動には興味がない。


住宅雑誌に載る住宅は、公共建築の建築的提案を実現しようとしてないか?

公共建築で感じた建築的提案を住宅で表現しようとしていないか?


僕も履き違えていたけど

伊東さんの言葉で輪郭が見えてきた。


住宅に建築的提案はいらない。

居場所をつくる。


ちょうどそのような考えを漠然と思っている時に

小さなワンルームのような新築住宅を依頼された。

仲の良い家族で、個室はいらないらしい。

僕は、この家族が大好きで、

その家族にとっての居場所を見つけたいとエスキースしている。



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