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  • 執筆者の写真裕之 安井

2070 助け



島根大学のK君が大学院を修了し

松江を離れた。


御祝と言ったら仰々しいけど

2人でフランス料理を食べに行った。

(Le Restrant Haraのランチコース)


僕が大学生の頃は、周りは建築家を目指し

全国コンペにも入賞する先輩、同級生が幾人か居て

自分の才能や自信について 常に揺らいでいたと思う。


才能があるのだろうか?

俺ってセンスあるんかなー?

そんな事に囚われていたけど

今の視点から見ると、恥ずかしい。


では、

建築家になる為には一体どんな才能が必要なんだろうか?

(別に建築家でなくても、もの作りを生業にする人にも共通するけど)


8年前、ある陶芸家に出会った。

著名な方で、僕よりも20歳上の年長者。

偉ぶらず、品があり、楽しそうに話しかけて下さる。


何度かご一緒するうちに ある言葉を頂いた。

「安井くんには素直なところがあるから、きっとこれから上手く成長するよ」と。


センス良いね、才能あるね、ではなく

素直だね、って言葉の意味が分からなかった。



K君が事務所に来てくれ日々を思いだす。

彼と15コマ分の時間を一緒にすると、

『素直だね』の意味がだんだん理解できてきた。


K君は本当に素直で、なんでも吸収するスポンジのようだった。

この素直さがあれば、きっと周りに可愛がられ、どこでも仕事ができるだろう。

(僕のスポンジは、K君に比べだいぶ固くなったなー、)


もの作りに必要な才能は、『素直さ』なんじゃないのか!?

K君に出会わなければ思ってもみなかったと思う。



答え合せじゃないけど、

久しぶりに仕事をご一緒する事になった陶芸家に

その話をした。



「もの作りをする人間にとって一番必要な事って、

『素直かどうか』だってようやく分かりました。」



そこから話が膨らみ、他にもあるよ、とつづけた。


ひとつは、探求心。

そして、もうひとつ、

周りが助けてくれるかどうか。



周りが助けてくれるかどうか、って

「助けて下さい」を言えるかどうかだと思う。


甘える、助けを求めることは決して恥ではなく

時には冷静になり、立ち止まらせてくれる。

そして、自分にはない考えも聞ける。


良いセンスや溢れる才能なんて

結局は関係ないんだよ、と22年前のあいつに言ってやりたい。

(22年かけて学べ!)


22年を経てようやく、ここまできた。







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