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2014 吉田豊建築設計事務所

  • 執筆者の写真: 裕之 安井
    裕之 安井
  • 3 日前
  • 読了時間: 3分
南方の小屋
南方の小屋

4年ぶりに

特急やくもで岡山駅に着く。

目的は、建築の見学。


村上徹建築設計事務所の元スタッフであり

歴代村上ゼミ生全員を把握している、

吉田さんが設計した建築を見せて頂く為に伺った。


前日が休日だったので

雑誌に掲載された図面をコピーし

cad図を作成してみた。


見学前に自分で図面を引くなんて

今までに一度もなく、なぜそうしたかと言えば

吉田さんの建築は、普段見せて頂けないからだ。


こんな貴重な経験を逃したくなく

事前に図面を身体に入れようと、試みた。


面積からおおよその寸法を導く。

写真を見ながら、素材の違いを見極め

壁厚を選り分けていく。


単純な寸法を使ったシンプルな平面構成で

がらんどうな空間が横にも縦にも繋がり

長方形の空間がずれを作りながら積みあがって

一見、難しい事をしていないように見えた。

写真を見る限り、無理をせずおおらかな設計に見えたが、

cad図を作成すると、その考えが改まった。


単純な納まりではない。

目につかない納まり、目に入らない納まり

目に残らない納まりが細部でなされている。


図面を事前に書いていなければ

絶対に目がいかないし、関心にも残らないところだったが

事前に勉強をしていたおかげで、さりげない納まりを

認知することができた。


岡山駅から徒歩20分

途中から用水路を沿いながら目的地へ向かう。

反対方向から、無数の大学生が

自転車に乗り、脇を猛スピードで横切っていく。


だんだんと古い住宅街へ入っていく。

その先に、雑誌で見た屋根と外壁が見える。

切妻屋根のおかげで

周囲と馴染んで見える。

2年前に建ったとは思えないほど

その敷地だけ光り輝いてみえたのは、

抜けや空地の設計によるからだろうか。


反対の区画からも覗いてみる。


外観の表情は違うが、透明ガラスを通して

内の様子が見える。

生活が見えるわけではなく、

内部で使われているポリカの波板がガラスのように反射して

内でありながら、外の通りのようにも見える。

視線の抜けが気持ちいい。


図面を見た時から感じていたのだけど

配置が抜群で、これしかないだろうと思わせる。

驚くのは、南側を閉じて

北に大きな開口部をもってきている点。

敷地に立つと そんな事気にならなくなるほど

違和感を感じない。


玄関を入りボリュームからはみ出た

通路のようなガラスに面した縁側(勝手に呼んだ)を進むと

ROOM1へ

天井の高いメインルームで、しっかりとした

長方形の空間に、化粧梁も含めた様々な抜けが

四方八方に抜ける。

ほどよい明るさ、構造用合板のむき出しが

気にならない高さ設定、なにより

大きく開く場所と安心感を終始与える壁が背中や肩に

感じ、落ち着く。 最後に紙面でも気になっていた、

L字型の縁側について書いて終わる。


この建築の外壁を構成する上で

大きな要素がこのL字型の縁側で

外部からも内部からも大きな影響を

与えている。


どちらもこの寸法や作り込み方次第で

失敗してしまうくらい重要で

さりげなく、シンプルに納まっている。


逆をいえば、ここに一番力=お金を掛けたとも

言えるのではないだろうか。


この選択が、空間のスケール感や空間の広がり方に

影響を与え、全体のボリュームの決定がされたと聞いた。

このスケールの決定が秀逸で、大変勉強になった。


空間のそぎ落とし。

大小様々な長方形空間の創作。


森の中に佇んで

自分のテリトリーから

自分の距離感で

街と繋がっていくような

小屋だった。


その後の居酒屋で、

ご本人にもお伝えしたけど


何だか分からないけど、

心から

僕も建築を作りたい!と

強い衝動が沸き上がる、


そんな建築だった。


バトンはしっかりと受け取った。


でも、

もう一度あの空間を堪能したい。





 
 
 

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